・行政文書の理解にAIを使ってみる


今回ご紹介する便利アイテムは、Googleが提供する「NotebookLM」です。
このツールを使い、行政文書の理解を試みてみました。

1. NotebookLMとは?

NotebookLMは、Googleが開発したAIを活用したノート作成ツールです。ユーザーが様々な形式のデータをアップロードすることで、AIが自動的に要約や回答を提供してくれるという画期的なサービスです。特に、PDFやGoogleドキュメント、ウェブサイトのURLなど、幅広いファイル形式に対応しているため、非常に使い勝手が良いです。

※公開されているPDFやウェブサイトのURL以外は情報漏洩になりますので注意して下さい。

2. 例:「ふるさと創生計画(案)」の概要を理解する

では、具体的にNotebookLMをどのように活用できるのか、例として、自治体の「ふるさと創生計画(案)」のPDFファイルを使用した手順を見ていきましょう。

  1. 要約するPDFを用意します。
  2. Googleアカウントで、https://notebooklm.google.com/ にアクセスします。
  3. PDFファイルのアップロード
    NotebookLMの ”作成” ボタンを押して、表示された画面(以下)にPDFファイルをドラッグ&ドロップします。

4.要約と質問
アップロードしたPDFをAIが理解した状態になり、ブリーフィングドキュメントボタン(青矢印)を選択するとAIが自動的に要約(赤枠)を生成します。これにより、長い文書でも短時間で理解することが可能になります。

5.質問の入力
画面下段のボックス(緑矢印)に質問を入力すると、アップロードしたPDFに基づいてAIが詳細な情報を提供してくれます。これにより、文書の内容を深く理解することができます。

以下がAIが生成したブリーフィングドキュメントです。
※あくまでもAIが生成した内容ですので必ず原文をチェックすることが重要です。

概要

この文書は、向日市が策定した「第三次ふるさと向日市創生計画」の主要なテーマ、重要なアイデア、事実をまとめたものです。この計画は、向日市が今後5年間(令和7年度~令和11年度)に重点的に取り組む施策を示しており、社会経済環境の変化に対応しながら、持続可能な都市発展を目指しています。

計画策定の背景と目的

向日市は、過去に「ふるさと向日市創生計画」と「第二次ふるさと向日市創生計画」を策定し、まちづくりに取り組んできました。しかし、近年、少子高齢化や人口減少、新型コロナウイルス感染症の流行、物価高騰、気候変動などの新たな課題が浮上しています。これらの課題に対応し、向日市の魅力を高め、市民が安心して暮らせる環境づくりを推進するため、本計画が策定されました。

計画の目的は、以下の通りです。

  • 社会情勢の変化に対応しながら、地域の資源や利便性を高める
  • 将来にわたり、誰もが安心・安全・健康に暮らし続けられる環境づくり
  • 市民が「ふるさと」と思えるまちづくりを推進する

計画の位置づけ

本計画は、向日市が進むべき方向性を示す、まちづくりの施策の柱となるものです。

施策の柱

本計画は、以下の3つの施策の柱を中心に構成されています。

  • 歴史を活かし、活力と魅力あるまちづくり歴史・文化資源の活用、観光振興、産業活性化、都市基盤整備、ゼロカーボンシティの実現、循環型社会の確立、生活の安心・安全の確保、ライフラインの強化
  • 人と暮らしに明るくやさしいまちづくり少子化対策・子育て支援、健康づくりの推進、高齢者福祉、障がい者福祉、地域福祉、学校教育、生涯学習、生涯スポーツの振興
  • 信頼と協働で市民の声が届くまちづくり市民協働の推進、人権・平和・男女共同参画の推進、自治体DXの推進、情報発信の充実

これらの柱に基づき、関連する施策分野、具体的な施策、施策の基本方向、取組及び目標が設定されています。

主要な施策と目標

以下は、計画に記載されている主要な施策とその目標の例です。

歴史を活かし、活力と魅力あるまちづくり

  • 歴史あふれるまちづくりの推進:史跡長岡宮跡や文化財の保護・活用(文化財所在地における紹介動画再生用 QR コード設置:R5年0箇所→R11年10箇所)
  • 観光客誘致のための事業実施(向日市観光交流センター来館者数:R5年88,610人→R11年111,000人、観光入込客数:R5年328,316人→R11年765,000人)
  • 産業の活性化:ものづくり産業への販路開拓支援(支援件数:R5年6件→R11年30件)
  • 創業希望者への支援(創業件数:R5年36件→R11年50件)
  • 地元農産物の販売場所拡大(R5年2箇所→R11年3箇所)
  • 都市基盤の整備:都市計画道路や幹線道路の整備(都市計画道路御陵山崎線など)
  • 生活道路の整備(7路線整備完了)
  • JR向日町駅周辺整備事業の推進(東西自由通路・東口駅前広場の整備をR10年供用開始)
  • ゼロカーボンシティの実現:太陽光発電設備の設置推進(戸建住宅の設置件数:R4年994件→R13年1,800件)
  • 公共施設におけるLED照明の導入推進(導入率:R4年60%→R13年100%)
  • 循環型社会の確立:ごみ減量と資源化の推進(家庭系収集ごみ量:R5年452g/日・人→R11年442g/日・人)
  • 生活の安心・安全の確保:防災マップの周知(防災出前講座・出前授業の実施回数:R5年8回→R11年50回、参加人数:R5年521人→R11年3,500人)
  • 防犯カメラの設置促進(設置台数:R5年20台→R11年30台)
  • ライフラインの強化:水道事業の経営改善(企業債残高対給水収益比率:R5年312%→R15年290%)
  • 水道管路の耐震化(重要な管路の耐震適合率:R5年32.8%→R10年60%)

人と暮らしに明るくやさしいまちづくり

  • 少子化対策・子育て支援:待機児童ゼロを継続
  • こども誰でも通園制度(R8年に1箇所)
  • 妊娠から出産まで切れ目のない相談支援の実施
  • 健康づくりの推進:特定健診の受診率向上(R5年41.9%→R11年60%)
  • ウォーキングアプリ登録者数1000人(R11年)
  • 高齢者が安心して暮らせる体制の充実:住民主体で介護予防に資する取組を実施する通いの場の数(はつらつサロン登録団体数):R5年22箇所→毎年度2箇所新規立ち上げ
  • 認知症サポーター数(認知症サポーター養成講座受講者数):R5年9,732人→R11年11,000人
  • 障がい者福祉の充実:計画相談支援事業所数(R5年5箇所→R11年6箇所)
  • 医療・介護現場における手話の普及(R5年未実施→R11年実施)
  • 学校教育の充実:「主体的・対話的で深い学び」の視点に立った授業改善(授業では、自分の考えを発表する機会が与えられていた子どもの割合を小学6年生、中学3年生各教科90%以上)
  • 英語検定3級の取得割合(中学3年生:R5年38.5%→R9年60%以上)
  • 不登校の児童生徒の割合(小学校:R5年2.12%、中学校:6.34%→R11年減少)
  • 市立学校教職員における1か月の時間外在校時間 45 時間以内の割合を小学校、中学校ともにR11年100%を目指す
  • 生涯学習の推進:特別展又は企画展、文化講演会、歴史講座、日曜談話会の開催(毎年度各1回以上)
  • 生涯スポーツの振興:成人の週 1 回以上のスポーツ実施率(R6年50.1%→R12年65%程度)

信頼と協働で市民の声が届くまちづくり

  • 市民協働の推進:市民の主体的なまちづくり活動への支援(交流・連携を主とした情報交換を行う団体数:R5年20団体→R11年40団体)
  • 人権・平和・男女共同参画の推進:女性活躍推進センター利用者数(R5年5,453人→R11年6,500人)
  • 男性が育児や介護で休みをとったほうがよいと思う市民の割合(R11年70%)
  • 自治体DXの推進:オンライン申請件数(R5年3,782件→R11年10,000件)
  • 窓口タブレットソリューション利用回数(R5年0件→R11年7,000件)
  • 電子書籍サービス「どこでも図書館」コンテンツ数(R5年0件→R11年3,000件)
  • 情報発信の充実:LINE 公式アカウント、Instagram に対する満足度を向上させる(R11年3.40)
  • 本市に対する市民の定住意向の割合(R6年80.4% → R11年90%以上)

計画期間と見直し

計画期間は令和7年度から令和11年度までの5年間ですが、社会情勢の変化に柔軟に対応するため、毎年度見直しを行うことが予定されています。

人口推計と土地利用

計画では、将来の人口推計(2050年にかけて少子高齢化が進む)と土地利用構想も示されています。向日市は、住環境と調和しつつ、商業・業務・サービス施設を集積させ、産業振興やレクリエーションの場を確保する計画です。

まとめ

「第三次ふるさと向日市創生計画」は、向日市の持続可能な発展を目指すための包括的な計画です。市民が安心して生活できる環境づくり、地域の活性化、デジタル化の推進など、多岐にわたる分野で具体的な目標が設定されており、向日市の将来にとって重要な指針となるでしょう。

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